学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「……マルはやっぱり…「唐草 美麗」が好きなんだ……。 私じゃなくて、本当は和真と付き合いたいって思ってるんだー……」
「いやいやいや、和真とは普通に友達だっつーの。 「唐草 美麗」の写真を残してる理由は……──」
「うぅ……私…「唐草 美麗」になりたい……。 そうすれば、こんな風にいっぱい写真を残してもらえるのに……」
「──……あのさ、こっちのページはゲーセンで撮った和真とトラの写真な? そんで ここが「唐草 美麗」、と。 ……はい、次のページ見てみ?」
「……え……?」
そっと、ページが捲られる。
「あ……」
私の…写真……。
「前に、放課後の教室でお互いの写真を撮り合った時のことを覚えてるか?」
「これ…あの時の写真……?」
「そ。 数枚しか撮らせてくれなかったから、ページ自体は がら空きだけどな」
「……」
「言っとくけど、「唐草 美麗」の写真をプリントアウトしたのは和真と友達になったあとだからな? 10年後とかに これを見ながらみんなで酒を飲んだら、最高に楽しいだろうなーって思ってさ」
いつもと変わらない微笑みが、数枚しかない私の写真へと向けられている。
とても優しくて…温かい笑顔……。