学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「うっわぁメッチャ綺麗な川っ。 最っ高だねっ」
「だろっ? 俺のおすすめスポットその3っ」
美しく澄んだ川を見ながら 目をキラキラと輝かせる和真くんと、何故か自慢げに胸を張るマル。
食べ放題に行く。 という目的がなかったら、撮影会は当たり前のように夕方まで続きそうだなぁ……。
「和真くん和真くんっ、あっちにあるレトロな建物のそばに行ってみようっ」
「おぉっ、行く行くっ」
……写真好きな和真くんと同じくらい、育美さんも興奮してるらしい。
二人は楽しそうな顔で、レトロな…というか、廃屋? の方へと駆けていった。
マルは和真くんたちとは逆方向に行き、川の撮影をスタートさせた。
「まったくもう……みんな自由なんだから」
呆れた顔でそう言ったのは、俺の隣に並んだ美麗さんだ。
「美麗さんは、マルのところに行かないの?」
「うん、もう少し飲み物が欲しいから先にコンビニに行ってこようかなーって思って」
「あ、じゃあ俺も行くよ。 みんなの分も買うなら、一人じゃ しんどいっしょ?」
「うん、ありがと。 マルー、トラくんとコンビニに行ってくるねーっ」
美麗さんが大きな声で言うと、マルはそれに応えるようにブンブンと手を振った。
それをしっかりと見たあと、二人で歩き出す。