学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「トラくんと二人で話すのって、なんだか久しぶりだね」
「学校じゃ全然話さないもんなぁ。 かと言って、メールのやり取りも そう多いわけじゃないし」
「うん。 マルからは色々とトラくんのこと聞いてるけどね。 チョコレートが好きとか、シイタケと酢の物が嫌いとか」
「うわー、知らないうちに俺の好き嫌いがバレてる……」
「……あとね、「実は付き合ってる彼女が居る」っていうのも聞いちゃった」
その言葉を聞き、ピタリと足を止める。
それから、小さく小さく息を吐き出した。
「あの馬鹿、どんだけお喋りなんだよ……」
「あのっ…なんか、ごめんねっ……?」
「……いや、そのうち美麗さんには言おうと思ってたからいいんだ。 ただ、言ったなら言ったで俺に報告しろよ馬鹿マル。 とは思ってる」
僅かに笑みを浮かべ…また息を吐く。
どこから話そうか。
というか…もう知ってるだろうか?
「えーっと……マルは、俺の彼女のこと どのくらい話した?」
「あ…私が聞いたのは、同じ学校に彼女が居る…ということだけで、名前とかは全然……」
「そっか。 俺の彼女、周防 菜乃葉(すおう なのは)だよ」
「……えっ、周防さんっ!? 私と同じクラスのっ……!?」
「うん、その周防 菜乃葉」