学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
真っ直ぐ過ぎるくらいに、真っ直ぐな瞳。
最初に会った時は 常に面倒臭そうな顔だったのに、随分と変わったな。
なんてことを密かに思う。
強引なところがマルに似てきた。
ほんっとうに…敵わないなぁ。
「……オーケー、連絡してみるよ。 来るかどうかは五分五分だけどね」
「わぁっ、ありがとうっ」
「先にコンビニ入ってて? 菜乃葉に電話するから」
「うんっ、なんか雑誌見ながら待ってるねっ」
美麗さんは元気よく返事したあと、目と鼻の先にあるコンビニに駆けていった。
それを見つめつつポケットから携帯を取り出し、電話をかける。
……3回目のコールで、菜乃葉との電話が繋がった。
『はい、もしもし』
「あぁ菜乃葉、朝早くにごめん。 今 平気?」
『大丈夫だよ。 でも こんな時間にどうしたの? 今日はマルくんと出かけるって言ってたよね?』
「うん、もうだいぶ離れた町に居る。 あのさ、実は今日…男女5人で出かけてるんだ。 話すと少し長くなるんだけど……聞いてくれる?」
『え? ……うん、もちろん。 ていうか、そこまで言ったのなら 私の出方を窺わずに最後まできっちり言うべきじゃない?』
……うん、確かに。
俺の言い方が悪かった。
菜乃葉の出方を窺うんじゃなくて、最初からハッキリ言えばよかったな……。