学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
恥ずかしそうに頬を赤らめた美麗さんは、
「……先に和真たちのところに行ってるねっ!!」
と、やっぱり恥ずかしそうな顔でそう言ったあと 一人で駆けていった。
そんな美麗さんの後ろ姿を見ながら、クスクスと笑う。
その後 チラリとマルに視線を送ると、美麗さんと同じように頬を赤らめているのがわかった。
だけど視線は 真っ直ぐ真剣に俺を捉えている。
「……お前さ、美麗に手ぇ出すなよ?」
「え? 友達の彼女に手を出すとか あり得なくない?」
「出す奴は出すだろ。 親友に彼女を寝取られて修羅場るとか、よくある話じゃん」
「よくある話…かはわからないけど、俺は出さないから大丈夫だよ」
衝動的に美麗さんの頭を撫でたくなった…という話は黙っておこう。
下心は全く無かったけれど、それを証明するまでの過程を考えると ただただ面倒臭い。
「本当に、手ぇ出さない?」
「出さない出さない。 ガキの頃から一緒に居るんだから、俺がどういう人間か わかるだろ?」
「……うん。 なんか…ごめん……」
「いいよ、平気。 でももう疑わないでね? 疑われたまま今後も友達をやっていくなんて、俺 普通に嫌だから」