学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
今までのようにマルと話したいし、一緒に笑い合いたい。
もちろん美麗さんともだ。
疑われたままでは、友達なんてやっていけるわけがない。
「……確かにそうだな。 マジでごめん、もう疑わないよ」
「うん」
「……っし、じゃあ俺 美麗を追いかけるわっ」
「はいはい、いってらっしゃい。 せっかくの遠出なんだから、二人の時間を大切にね」
「トラも、周防が来たら しっかり楽しめよっ?」
「言われなくても そのつもり」
視線を合わせ、お互いに笑い合う。
そのあとマルは、持っていたコンビニの袋からペットボトルのお茶を1本取り出した。
それを俺に投げてよこしたと思ったら、すぐに駆け出した。
「じゃあ、あとでなっ」
振り返ったマルは 小さな子供のようにブンブンと手を振って、顔には満面の笑みを浮かべている。
そんなマルの様子に呆れながらも、微笑みながら小さく小さく手を振り返した。
走っていくマルの背中を見つめ、そのあとに携帯を開く。
2分前に菜乃葉からメールが届いていたらしい。
いいタイミングで快速電車に乗れたようで、到着は35分後…とのことだ。