学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


今までのようにマルと話したいし、一緒に笑い合いたい。

もちろん美麗さんともだ。


疑われたままでは、友達なんてやっていけるわけがない。



「……確かにそうだな。 マジでごめん、もう疑わないよ」

「うん」

「……っし、じゃあ俺 美麗を追いかけるわっ」


「はいはい、いってらっしゃい。 せっかくの遠出なんだから、二人の時間を大切にね」

「トラも、周防が来たら しっかり楽しめよっ?」

「言われなくても そのつもり」



視線を合わせ、お互いに笑い合う。

そのあとマルは、持っていたコンビニの袋からペットボトルのお茶を1本取り出した。

それを俺に投げてよこしたと思ったら、すぐに駆け出した。



「じゃあ、あとでなっ」



振り返ったマルは 小さな子供のようにブンブンと手を振って、顔には満面の笑みを浮かべている。

そんなマルの様子に呆れながらも、微笑みながら小さく小さく手を振り返した。






走っていくマルの背中を見つめ、そのあとに携帯を開く。

2分前に菜乃葉からメールが届いていたらしい。

いいタイミングで快速電車に乗れたようで、到着は35分後…とのことだ。

< 242 / 259 >

この作品をシェア

pagetop