学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「……みんなのところには戻らずに、このまま駅に行くか」
二人の時間を大切にね。 とマルに言ったけど、俺が居ると何かと声をかけてくるに決まってる。
美麗さんもきっとそう。
和真くんと育美さんは、俺やマルたちのことは気にせずに二人で楽しみそうだけどね。
まぁとにかく。
俺が近くに居ると、マルと美麗さんは二人の時間を満喫出来ない…と思う。
だから離れるんだ。
食べ放題に行くまでの そう長くはない時間を、二人が二人で楽しむために。
【駅で待ってる】
と菜乃葉にメールを送ったあと、マルにもメールを送る。
【菜乃葉が到着するまでの30分間、俺は駅で待つよ。
合流したら そっちに向かう。 何かあったら電話よろしく。】
そう伝えると、すぐにマルから【了解】との返事が来た。
それを確認したあとに携帯をポケットに入れ、歩き出す。
今 居る場所から駅までは、5分もあれば到着する。
その後の約30分は……菜乃葉とメールを交わしていれば あっという間だ。
駅前ロータリーで、ベンチに腰を下ろす。
せっかくの空き時間だから、メールで色々と伝えておこう。
ということで、マルと美麗さんの出会いから今までのことまでを、知ってる限りで話すことにした。