学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


その後、何度も何度も止めたけど、マルは聞き耳持たずで……マスクをつけた自分の顔写真を、「唐草 美麗」へと送ってしまった。

本当に恋は盲目だな……と強く強く思った出来事だ。


その後、なんだかんだとあって。

マルは「唐草 美麗」が美麗さんの弟の早乙女 和真くんだということを知った。

公園で写真を撮ってる時に美麗さんと会い、その後 和真くんとも会ったらしい。


俺は近くに居なかったから、その時のこともわからない。

俺がわかるのは、その日の夜 俺の部屋に来たマルが荒れに荒れて大変だった…ということだけだ。


ジュースしか飲んでいないはずなのに 酔っぱらいみたいに訳のわからないことを喚くし、そうかと思えば急に静かになって「死にたい……」とクッションに顔を埋めたり。

声をかければ「うるさい黙れクソ野郎っ」と罵られ、黙っていると「何か言えよクソ野郎っ」と罵られ。

カバンはぶん投げるし、ジュースはこぼすし、お菓子の入った袋は踏み潰すし……本当に、ただただ大変だった。



そして、30分ほど騒いだあと。

マルは「唐草 美麗」が撮った写真を見ながら、次第に落ち着きを取り戻していった。

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