学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「指を絡めてるとさ、咄嗟の時に危なくない? 引っ張ったら すぐにボキッと折れそう」

「ふふっ…そんな風に思うのは きっと菜乃葉だけだと思うよ。 まぁ、繋ぎづらいっていうのは否定しないけどね」



微笑みを浮かべながら、最初と同じようにギュッと手を握りしめる。

そのまま俺たちはゆっくりと歩き出した。



「で、どこまで話したっけ?」

「早乙女さんの弟くんとゲーセンで会った、ってところまで」

「あぁそうだったね。 えっと…それから何日か経った日曜日に、俺とマルは和真くんの家に行ったんだ。 二人とも写真を撮るのが好きだから、仲良くなるまで そう時間はかからなかったよ」


「え、家に行ったの? 早乙女さんが居ない時に?」

「いや、美麗さんも家に居たよ。 俺たちが来ることは知らされてなかったみたいだけどね。 で、その後マルの思いつきで 俺たち4人は遠出して海に行ったんだ」



海に行った日のことを話すと、菜乃葉は途端に嫌そうな顔をした。



「……うわぁ出た、超迷惑なマルくんの突然の思いつき。 早乙女さん絶対嫌がったでしょ?」

「うん、かなりね。 でも動き出したマルは止まらないし、止められない。 和真くんもそういうタイプだよ」

「なるほど……。 早乙女さん、大変だなぁ」



苦笑する菜乃葉に、俺も苦笑する。

その後、和真くん(唐草 美麗)が撮った写真がSNS上で話題になったことを話した。

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