学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


生徒指導室の方向じゃないし、職員室の方向でもない。

というか校舎を出ちゃうし、何故か裏の方へと進んでるし……。

……こんなところで生徒指導の先生が待ってるなんて、どう考えてもおかしいよね。



「伊勢谷くん、この先に先生が居るの?」

「あぁいや、ごめん。 さっきの嘘なんだ」

「嘘……?」


「もう少し行くとマルが居るから、適当に相手よろしく。 じゃ、俺はこの辺で」

「えっ…ちょっと伊勢谷くんっ……!?」



にっこりと笑った伊勢谷くんは、ひらひらと手を振ったと思ったら あっという間に来た道を引き返していった。

は、速い。

もう追いつけないくらいに離れちゃった……。



「……どうしよう」



伊勢谷くん、「マル」って言ってたよね。

それってやっぱり、いつも伊勢谷くんと一緒に居る“あの”マル…だと思う。

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