学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「姉ちゃん、冷蔵庫に炭酸あった?」
「ううん、お茶しか入ってなかったよ」
「うっわマジかー。 今ヤバいくらいに炭酸が飲みたいから、ちょっとコンビニまで行ってくるっ」
「えぇー……我慢しなよ」
「残念ながら無理っ」
お茶があれば十分なのに……と私は思うけど、和真はダメらしい。
上着を羽織ったと思ったら、さっさと玄関に向かっていった。
「美麗さん、俺も行ってくるね。 飲み物なら大きいやつを買った方が安上がりだし、二人の方が運びやすいと思うから」
「えっ…伊勢谷くんも行っちゃうのっ……!?」
「すぐ戻るよ」
にっこりと笑ったあと、伊勢谷くんは和真を追いかけて出ていった。
部屋に残ったのは、ソファーに座る私と……壁かけ時計を熱心に撮影中の時雨くんだけだ。
……学年1のイケメンが私の家に居るなんて、なんだか不思議だな。 と改めて思う。
ここ数日、学校では会話してないけどDMでは何度か話した。
と言っても、私からDMを送ったことはないんだけどね。