学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「チクショウ。 せっかく美麗が見つかったと思ったのに……」
時雨くんがガシガシと頭を掻く。
「あー……お前もう戻っていいよ。 むしろ目障りだからさっさと消えろ」
「あぁそうですか、じゃあ さようなら」
酷い扱われように不服はあるものの、教室に戻れるのなら なんでもいい。
ペコリと頭を下げたあと、私は教室に戻るために歩き出した。
「ハァ……。 どこに居るんだよ、唐草 美麗……」
「えっ…からくさ みれい……!?」
「え?」
……あっ。
しまった、“知ってる名前”が聞こえたから思わず反応しちゃった……。
「お前…まさか唐草 美麗を知ってるのかっ……!?」
さっきまで嫌そうな顔だった時雨くんが、目を輝かせる。
これは……非常にまずい……。
「……さ、さぁ? 知らないよ」
「嘘つけっ。 今さっき思いっきり反応してたじゃねーかっ」
なんとか誤魔化そうとするけれど、やっぱり誤魔化しきれないよね……。
困った。
この状況…どうしよう……。