学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
5 距離
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予鈴が鳴るまで、あと8分くらいだろうか。
私は今、校舎の隅の……あまり人が来ない場所のトイレに居た。
正確には、「連れてこられた」だ。
「ここなら誰も来ないし、ゆっくり話せるね」
目の前に居るのは、同級生の女子3人。
みんな笑みを浮かべてるけど、私に敵意があるのがピリピリと伝わってくる。
全員 別のクラスだし、去年一緒になった子も居ないから……名前は全然わからない。
にも関わらず、向こうは私のことを知ってるらしい。
……昨日のことがあったから調べたのかな?
もしくは、数日前にトラくんが私を呼び出したところを見ていて なんとなく覚えてた…とか?
まぁどっちでもいいか。
というか、どうでもいい。
向こうもそう思ってるはずだ。
だって向こうが聞きたいのは、「昨日 マルとトラくんと一緒に電車に乗ってた理由」なんだから。
「私たちね、昨日電車に乗ってたの。 そうしたらマルとトラくんを見かけたんだ」
……同じ学校の人たちが乗ってたら嫌だな、って思ってたけど、やっぱり居たか。
しかも この子たちは二人のファンらしいから……1番面倒臭いことになってしまった。