王女にツバメ

その概念の違いに苦笑する。それって、使うまであたしのお金ってことじゃないよね? それなら尚更早く使うべきだ。

「欲しいものないなら、なんか、彼女とかに買ってあげれば?」

そういえば彼女からチョコ貰わなかったのか、と思い出す。

「欲しいものは裏葉さん」

真剣に言う。いや、そういうのもう良いから。
止めようって話……。

「裏葉さん、何か欲しいものあんの?」
「……なんであたしの欲しいものに……」
「裏葉さんが俺の彼女だから」
「いや、彼女って本命の方。同年代くらいの女の子とこの前歩いてたでしょう?」

何の話をしてるんだ、と考え始める。

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