王女にツバメ
終わらせようって話してるのに。
「俺、裏葉さんのこと好きだから付き合ったし、金も預かってた」
「え」
「一時的に寂しさを埋める駒でも良かったけどさ」
顔の輪郭を掴まれ、顔を上げられた。
するりと耳の後ろを撫であげられる。
「急に拒絶されて離れて行かれるのは嫌だ」
心臓が痛い。
破裂しそうに、痛い。
「……あたしたち、いつ付き合ったの?」
「……え」
「え、いつ? 本当にいつ?」
心底あり得ない、という顔をして琉生が答える。
「二回目会ったとき、朝起きたときに『付き合って』って言ったら、裏葉さん『良いよ』って」