王女にツバメ
有り得そうな未来を的確に言い当てられる。
絶対無いとは言えない。
あたしは心の底にブラックホールを飼っている。
それを埋めたくて、琉生は埋めてくれた。
「あたしにとって都合の良すぎる話過ぎて怖い」
「そう? その代わり、裏葉さんはずっと俺と一緒だよ」
「それが、良すぎるって話」
きょとんとした顔に笑った。背伸びをして首に腕を回す。
「琉生」
「うん」
「ありがとう」
うん、と抱きしめ返される。
「好き」
うん、と力がこめられる。
「……もうちょっと、素直になるの、心がける」
「あはは、それを素直に言う裏葉さん可愛い」
笑われた。