シンデレラはサンタを信じた


『えーこの公式は……』


月曜日の1時間目の授業が数学ってめっちゃくちゃ眠い。

授業なんて聞かなくてもテストの点が取れる俺からしたら全部の授業は退屈だ。

だけどやっぱり一番嫌いなのは数学だ。

簡単な数字が並んでるだけだけどそこからめんどくさい公式を使って一つの答えを出す…

それが一番めんどくさい。


『んじゃあー……橘これといてみろ』


俺が話を聞いていなかったのに気づいた先生が俺を当ててきた。


『あー、えー……』

俺が解くのに手間取っていると隣の席の人がすっとノートを見せてくれた。

そこに書かれていた数字は43だった。


『……答えは、43です』


『そうだ。正解だ』


数学の先生は満足そうにうなづくと黒板の方に向き直った。俺は隣のやつにこういった。


『サンキュー』


『うん』

隣のやつの名前は確か灰原知花(はいばらちはな)だったかな?

俺はクラスのやつの名前を全て覚えることなんてしない。


だから確かこいつはこんな名前だよなって感覚で覚える。


『なんで教えてくれたの?』


『あとで教えてあげるよ』
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