シンデレラはサンタを信じた
ーキンコンカンコーン

長ったらしい授業が終わると灰原がなんでプレゼント欲しくないの?とまたサンタさん関連の話をしてきた。


『別にお金には困ってないから欲しいものは自分で買えるんだよ』


『お金かー…私は……』


灰原が俺の顔をじっと見ながら止まった。

言葉を詰まらせ言いづらいことだったのか、いうのをやめた。

その表情は少し寂しそうに見えた。


『アルバイトとかしてるの?』

さっきの寂しそうな顔が一気にパァーっと明るくなった、顔の表情のレパトリーが多すぎると思った。

俺は笑うか、泣くか、真顔、の三つのレパトリーしかないから不思議な感じだ。


『してるよ』


『え!?どこで?』


『駅前の蕎麦屋』

俺の働く蕎麦屋は渋い感じで古き良きって感じのお店だ。

店の人はおじさんとおばさんでとても温かみのある人達だ。
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