無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
私の手を持ちあげた鈴ちゃん。
「ゴ、合コン……」
「昨日、サエから相談の連絡があったんだよね、女子が1人足りないってさ」
サエちゃんは中学が同じだった女の子。
合コン……たしかに、出会いを見つけるにはいちばん手っ取り早いかもしれないけど。
「足りないのって1人なんでしょ?鈴ちゃんは?」
「ウチは彼氏いるから無理~。利奈、がんばってきなよ。大丈夫、女子は中学がいっしょの子たちばっかりだから」
どうしよう。
知り合いがいるなら、行ってもいいかもしれない。
だって私、一刻も早く恋愛したいんだもん。
ちゃんとまともな純愛……。
「参加してみようかな……」
「そうこなくっちゃ~」
よし返信しよう~って、鈴ちゃんは即座にスマホで返信を打ちこんだ。
すると、ものの数秒で。
「あっ、サエから返信きた。利奈ちゃん参加、把握~だって~。よかったね」
鈴ちゃんが嬉しそうに笑うと、つられてへらっと笑ってしまう。
勢いで決めちゃったけど、行動起こさないと始まらないし。まっ、いっか~って。