無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「利奈ちゃんの席はこっちねー!」
サエちゃんに腕を引かれるまま歩いて座ったのは、爽やかな見た目の黒髪くんのとなり。
そうだよね。
合コンなんだから、男子のとなりに座るのは当然だよね。
「リナちゃんていうの?可愛いね」
爽やかな笑顔。
フレンドリーに話しかけられて、コクコクうなずく。
よかった。怖い人じゃなさそう。
ヤンキーみたいな人だったらどうしようって思ってたから、ひとまず安心。
「オレは蒼。くさかんむりに倉で、“あおい”」
「蒼くんよろしくね。……なんか、蒼くんって大人っぽいね……」
ウフルカットの柔らかそうな黒髪は、清潔感ありまくりで。まとってる雰囲気も爽やか、かつ大人びてる……。
「あー、オレ二十歳なんだよね。だからリナちゃんの3コ上かな?」
「っ!大学生だったんですね。すみません、タメ語で話しちゃって」
そうだった。
大学生もいるって話だった、そういえば。