無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「あっ。利奈ちゃんやっときた~。そろそろ始めようか?」
部屋に戻るとみんな席についてて、一斉に視線を浴びてしまった。
「ごめんなさい、待たせちゃって……」
頭をさげながら自分の席に座る。
「謝らなくて大丈夫だよ~。男子も、まだ1人来てないし。でも、まだ連絡つかないから始めちゃおうかなって」
見てみれば、たしかに。私のところからは一番遠い席が一つ開いていた。
女子が7人、男子が6人……。
誰なんだろ。
「あいつが遅れんのいつものことだし、いーよ始めても」
一人の男子がサエちゃんそう言うと、いよいよ合コンが始まった。
いつの間にか注がれてたオレンジジュースで乾杯し、カラオケの曲が流れ始める。
トップバッターはサエちゃん。
可愛い声でとっても上手。
でも私、カラオケとか聞いてないよ。
歌うのあんまり自信ないんだけどな。
幸い、周りではおしゃべりが飛び交ってるから、下手でもなんとか誤魔化せそうだけど。