無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



「利奈ちゃん、次なに飲みたい?」



画面に流れる歌詞をぼんやりと見つめてたら、蒼くんが話しかけてきた。

ドリンクメニューを2人でのぞきこむ。



「んー。梅昆布茶にしようかな」

「え、梅昆布茶?」



クスクス笑われて、かあっと顔が熱くなる。

えっ、ヘンかな?

ファミレスのドリンクバーでよく飲むんだけど。

あれ、めちゃくちゃ好きなんだけど。



「利奈ちゃんておもしろいね。もっと美味しいのあるよ。オレのおすすめ頼んであげるね」



にこっと笑った蒼くん。

爽やか。

サエちゃんの話通り、イケメン。



さすが大学生って感じでスマートだけど……梅昆布茶、飲ませてもらえないんだ。


合コンではNGなのかな。

うーん、難しい……。



ドリンクを注文し終えた蒼くんは、心なしか距離を詰めてきて、さりげなく肩に手を置いてきた。


これって普通?


思わず周りを見ると、みんな私たち以上に密着してたからびっくりする。



そうだよね……仲良くならなきゃいけないんだし。

< 121 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop