無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「利奈ちゃん、次なに飲みたい?」
画面に流れる歌詞をぼんやりと見つめてたら、蒼くんが話しかけてきた。
ドリンクメニューを2人でのぞきこむ。
「んー。梅昆布茶にしようかな」
「え、梅昆布茶?」
クスクス笑われて、かあっと顔が熱くなる。
えっ、ヘンかな?
ファミレスのドリンクバーでよく飲むんだけど。
あれ、めちゃくちゃ好きなんだけど。
「利奈ちゃんておもしろいね。もっと美味しいのあるよ。オレのおすすめ頼んであげるね」
にこっと笑った蒼くん。
爽やか。
サエちゃんの話通り、イケメン。
さすが大学生って感じでスマートだけど……梅昆布茶、飲ませてもらえないんだ。
合コンではNGなのかな。
うーん、難しい……。
ドリンクを注文し終えた蒼くんは、心なしか距離を詰めてきて、さりげなく肩に手を置いてきた。
これって普通?
思わず周りを見ると、みんな私たち以上に密着してたからびっくりする。
そうだよね……仲良くならなきゃいけないんだし。