無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



ピンクっぽい、紫っぽい……とにかく可愛い色。

なんかのミックスかな……?なんて思いながら、一口ゴクリ。



甘い味が口の中に広がる。

フルーティーだけど、爽やかさがなくって……。

美味しいんだけど、なんか、初めての感覚。




「え、何味かわかんない」

「じゃあもうちょっとら飲んでみなよ。当ててみて?」

「うん……」



蒼くんに促されるまま、再びグラスに口をつけた。

甘い。ひたすら甘い。

美味しいかと聞かれたら、美味しい。でも何味かと聞かれたら……やっぱり、わからない。



でも、その飲み物は妙に中毒性があった。

飲んでたら重たいものがすうっと消えていって、蒼くんの話も、さっきより楽しく感じた。



「利奈ちゃん、もう飲んじゃったの?そんなに美味しかった?」

「うん……」

「オレのもあげる。飲んでいいよ?」

「えっ、ありがとう~」



頭がほわーってして、いい気分。

なんか眠たい気もするけど。


蒼くんのボディタッチも、もう気にならない。

< 125 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop