無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
ピンクっぽい、紫っぽい……とにかく可愛い色。
なんかのミックスかな……?なんて思いながら、一口ゴクリ。
甘い味が口の中に広がる。
フルーティーだけど、爽やかさがなくって……。
美味しいんだけど、なんか、初めての感覚。
「え、何味かわかんない」
「じゃあもうちょっとら飲んでみなよ。当ててみて?」
「うん……」
蒼くんに促されるまま、再びグラスに口をつけた。
甘い。ひたすら甘い。
美味しいかと聞かれたら、美味しい。でも何味かと聞かれたら……やっぱり、わからない。
でも、その飲み物は妙に中毒性があった。
飲んでたら重たいものがすうっと消えていって、蒼くんの話も、さっきより楽しく感じた。
「利奈ちゃん、もう飲んじゃったの?そんなに美味しかった?」
「うん……」
「オレのもあげる。飲んでいいよ?」
「えっ、ありがとう~」
頭がほわーってして、いい気分。
なんか眠たい気もするけど。
蒼くんのボディタッチも、もう気にならない。