無気力オオカミくんは、私だけに夢中。


「どうでもいいけど、そろそろ離れたほうがいいんじゃない。そんな密着されると俺もヘンな気起こしそう」

「……そんなにいやがらないでよ」

「はあ?嫌がる?」

「離れてほいしんでしょ…?私がうっとうしいから…」



西野はジト目で私を見る。
あう……やっぱり嫌がられてる。
夢なのに。



「バカなのか、わざとなのか……」


なにかボソッと呟いた西野。

右手を伸ばしてきて、私のほっぺたに触れる。



「ふつーに、理性死にそうって意味ね。わかる?」



顔を寄せて、子どもに言い聞かせるみたいな口調でそう言った。



「リセイシニソー……?」

「手出しそうってこと」

「んえ……」

「引き寄せて、キスして……そっから先も全部、」



ああ、これだめなやつ。

夢の中で私の妄想大爆発しちゃってる。

ホンモノの西野に知られたらやばいやつ。



「欲しいんだけど」

「え……」

「俺が一番にほしい。他の男にはあげないで」

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