無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



「にしのはイヤなの……?」

「ん?なにが」

「わたしと二人でいるのが。……早く、帰ってほしいんでしょ……」




なんでそうなるのか。

思考回路がまったく読めない。




「そーじゃないよ。利奈が暑いとか言うから、外に行こうかって言っただけ」

「やだぁ、ここにいたい……」



暑いくせにぎゅっとしがみついてくるから、思わず抱きしめ返しそうになった。




「……さっきから、ほんとワガママだね」



俺じゃなくても、こんなことすんの?



「何回も言うけど、俺は男だから。これ以上いっしょにいたら、たぶん利奈が嫌がることするよ」

「いやがること……?」

「無理やり押し倒して、めちゃくちゃにする」




なに言ってんだろ。

……マジで何いってんだろ。




「……うん。……知ってる……にしのは、オオカミだもん」




オオカミ?




「でも慣れてるから……私とキスしても、なんとも思わないん……でしょ」



利奈の目がゆっくりと閉じていく。

再び、全部の体重が俺かけられて



ドクリ、と心臓が脈打った。


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