無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
思えば、年齢イコール彼氏いない歴。
彼氏なんて、高校生になれば勝手にできるものだと思ってたけど、現実そんなに甘くないんだね。
「でも、男子に免疫くらいあるよ……」
西野くんは興味なさそうにハイハイと受け流す。
その態度が気に入らなくて、「本当だからね?」と付け足すと、細めた目で煽るように見つめてきた。
「本当かどうか、俺が試してやろうか?」
顎をくいっと持ち上げられる。
「……っ、そういうんじゃなくて。私だって仲良い男友達くらいいるよってこと」
「男友達?……誰?」
「……2組の、秋田陸人」
「秋田……?」
西野くんは目を丸くした。
どうやら顔と名前が一致した様子。
「秋田陸人って……サッカー部の次期エースとか言われてる、あの秋田陸人?」
そんな、信じられない、みたいな顔で見なくてもいいじゃん。
気持ちはわかるけど。
陸人ってモテるし、目立つし、私みたいなのと仲良いなんてびっくりだよね。