無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「合コンはとっくにお開きになってる。お前は酒飲まされたせいで寝落ちたの」
「そんな……。勇気出して参加したのに、なんの収穫もないなんて……」
「それ悲しむとこ間違ってるから。お前は騙されてたの。下手したら襲われてたかもしんねーんだぞ。わかるか?」
「う……ん」
蒼くんはいい人だと思ってたけど、いい人じゃなかった、ってこと。
だってまさか、お酒だなんて思わないんだもん……。
「陸人が家まで送ってくれたんだよね。その……迷惑かけてごめん、ありがとう」
「……うん」
どうしてか目を逸らされた。
左斜め下。
これ、陸人が嘘ついてるときか、後ろめたいことがあるときにやる癖……だと思ってる。
確証はないけど。
まあいいや。
そういえば、やばい夢見ちゃったんだよね。
西野とあんなことやこんなことする夢。
と言っても、キスだけだけど。
でもちょっと、激しかったような……。
そのあとはお姫様抱っこされて、どこかに連れて行かれるの……。
ううっ、思い出すと全身から火が出そう。