無気力オオカミくんは、私だけに夢中。

「陸人とは幼なじみでね、小さい頃から仲良いんだよ」

「……ふうん」



あ。また興味なさそうな返事。



「あー……そういや。秋田とよく一緒に帰ってる女がいるって騒がれてたの聞いたことある。あれって、利奈のことだったんだ」

「えっ？ 騒がれてた……？」



なにそれ、初耳なんだけど。

陸人とは一緒にいることが当たり前だったから、周りの目なんて気にしたことなかった。




「ねえ。騒がれてたって、どんな風に？」

「はあ？どんな風とか言われても……」

「絶対いいことは言われてないよね？ ブスが陸人の隣歩くなとか……」

「……」



いつの間にか西野くんから笑みは消えていて。
なに考えてるからわかない表情でじっとこちらを見つめてくる。



「いや……むしろ、秋田の幼なじみはカワイーから敵わないよねって……」



ぼそぼそと答えるから、聞き取れない。



「 今なんて言ったの？」

「……べつに。たしかに利奈じゃ、秋田に釣り合わないって言っただけ」