無気力オオカミくんは、私だけに夢中。




「キス飽きた?」



耳元で囁かれる。
頭を優しく撫でられる。

いちいち慣れてて嫌になる。



「ううん」


むしろ逆。
西野のキス、気持ちよすぎておかしくなりそうだもん。そんなこと言えないけど。




「じゃあ、どうしたの。いきなり抱きついてきて」



泣いてる顔を隠したいからだよ。
でも、これも言えないね、どうしよう。



「……眠い」



そう言ったら、西野が小さく笑う気配がした。



「キスで疲れた?かわいーね。寝てもいいよ」



頭ポンポン。
そんなことされたら、秒で涙止まる。


眠気なんて最初っからないけど、西野が信じてくれるなら都合がいい。


しばらくは顔上げなくて済む。
顔が見えないなら、たぶん好きってバレない。



……し、面と向かって聞けないことも、聞けるかも。


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