無気力オオカミくんは、私だけに夢中。

ちょっと緊張するけど、聞くなら今しかない。



「ねー、西野」

「ん？」

「西野って、なんで色んな女の子と遊ぶの？」



沈黙。

5秒くらい経って「えー…」と、ぼやけた声が聞こえた。




「それ聞く？」

「……答えたくないの？」

「いや。特に大した答えがなくて困ってるだけ」

「……」

「なんでだろね。……てか。今は利奈と二人なんだし、他の女の話なんかしたくないんだけど」




うっ。
なんか、上手く交わされた感ハンパじゃない。


この手の質問にも慣れてるんだろうな。
聞かれたの、絶対初めてじゃないよね。


そう思いながら、ほんの少し顔を浮かせると、意地悪く目を細めた西野と視線がぶつかった。




「愛に飢えてんだ。俺のこと満たしてよ、利奈ちゃん」



かあっと顔が熱くなって、慌てて西野の胸にもぐり込む。


みんなに言ってるであろうセリフに心拍数が上がるのが悔しかった。