無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
ネクタイとオオカミ
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夜の8時。
「また西野かよ。ふざけんな!」
約束通り、陸人の部屋に行ったのはいいものの。
今日の出来事を全部さらけ出すと、陸人は鬼のように怒った顔をした。
呆れをすっ飛ばして、いきなり怒った。
仏の顔も三度までってやつ?
ちょっと違うかもだけど。
「マジで意味わかんねぇんだけど?俺があれだけ言ったのに、自分から近づきに行ってんじゃねーよ!」
「ひっ……」
陸人にこんなに怒られるのは久しぶりすぎて、心臓が縮みあがる。
相談したかっただけなのに、なんでこんなに怒るの?
「泣かせられたくせに、その後ノコノコバイト先について行ったんだろ?ほんと理解できねぇ」
「うぅ、それは、西野が猫探すとか言って……」
「利奈って、典型的な恋愛バカ女だよな。頭いてぇわ」
自分でもバカだとは思うけど、陸人はもっと、冷静に親身になって話を聞いてくれると思ってた。
予想外すぎて次の言葉がでてこない。
部活でなんかイヤなことでもあったのかな……。