無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「もっと危機感持てよ。都合のいい女って思われたら、いくらでも利用されるぞ」
「ハイ、ごめんなさい……」
「ちゃんとわかって返事してんの?」
「う、うん」
「はぁ。マジで見てらんない。合コンのときもお前、最終的に西野に抱えられて出てくるし……」
「……え?」
今なんて?
西野に抱えられて?
なに、誰が、……私が?
「え、陸人」
「違う」
「でも今、西野って」
「……」
陸人、しまったって顔してる。
えっと、これはどーいうことだ。
合コンのとき、私は蒼くんにお酒飲まされたあと、陸人がお店に迎えにきてくれたんじゃないの?
「ねぇ、西野に抱えられてたってなに?私は陸人と帰ったんだよね?」
「……」
「陸人、ほんとのこと言ってよ。私、陸人が嘘ついてるときって分かるんだからね」
脅しをかけてみる。
すでに心臓がうるさい。
だって、合コンで西野といたってことは、私──────。