無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
仰向けに寝てる私。
私を見下ろしてる陸人。
「俺に対して、警戒心がないのもムカつく……」
ギシ…とベッドが軋んだ。
いつもなんだかんだ優しい陸人が、私を思いきり睨んでる。
それだけでぽろりと涙がこぼれそうになる。
なんでこんなに怒ってるの?
こわい顔しないでよ。
「り、陸人ごめん……」
なにを謝ればいいのかわからないけど、私がなんでも話せるのって陸人と鈴ちゃんくらいだし。
見放されたら、心が折れちゃう……。
「陸人、怒らせてごめん。でも嫌わないで、お願い……」
必死に見上げる。
そしたら陸人、今度は慌てたような顔になって。
「っや、嫌うとかじゃなくて。んー……あの。
……あーっ、もうやだ……」
ピリピリした表情が崩れた。
もういつもの陸人、っぽい。
陸人が私の上から退いたから、上半身を起こした。
「え、今のなんだったの?」
「知らん。自分で考えろ」
陸人は不貞腐れたみたいにベッドから背を向けた。
「けど、一個だけ俺の言うこと聞いて。西野のことでもう傷つきたくないんだろ?」
「あ、うん……」
「だったら。明日から、俺の部活が終わるまで待ってろ。一緒に帰るようにするから」