無気力オオカミくんは、私だけに夢中。





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「昨日、陸人くんの部屋行ったの?」




次の日の終礼の時間、やっと教室に姿を見せた西野が話しかけてきた。




「西野っ、学校来てたの?」

「朝は打ち合わせあって、昼から登校した」

「打ち合わせ? ……でも午後の授業1個も出てないよね。単位大丈夫なの?」

「俺より自分の心配したらどうですか?万年補修組の利奈ちゃん」




目を見て自然に、自然に、自然に。



「……私ができないのは数学だけだよ。西野は頭いいの?」

「さあ?それより質問に答えてよ」



えっと、質問ってなんだっけ。

冷静を装ってるけど、頭の中は大渋滞。

だって、私が夢だと思ってたことが、夢じゃないかもしれない……。ってことが、昨日判明したんだから。



合コンの日、私は西野と個室で──────。



「利奈。聞いてんの?」

「はっ、ハイ」


返事をしたところで、先生が入ってきた。


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