無気力オオカミくんは、私だけに夢中。


全校集会のこと、3週間後に迫ったテストの日程、委員会活動について。

急いでいるのか、手短に連絡を済ませた先生はすぐに号令を促した。



「きりーつ、礼」



頭をあげると同時、教室はわっと騒がしくなる。

周りが忙しなくなる中、私はゆっくりと腰をおろしてグラウンドを眺めた。



いつもならすぐ帰るとこだけど、陸人に、部活が終わるまで待ってろって言われたから。


あーあ。約2時間、何しようかな。


スマホもあんまり充電ないし……。



「利ー奈っ」

「わっ。鈴ちゃん」



帰り支度を終えた鈴ちゃんは、なんだかご機嫌な様子で机に身を乗り出してきた。



「たそがれてどうした〜?帰んないの?」

「それが私、待ってなきゃいけなくて」

「え、なにを?」

「陸人が部活終わるの……」





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