無気力オオカミくんは、私だけに夢中。


「ハーッまじで不公平。オレも絹川雛子と遊んでみてぇわ」

「今度紹介してくんね?雛子ちゃんって、彼氏はいないんだろ?」




西野を羨む声が飛び交う。



「いや~、ほんといいよなぁ雛子ちゃん。あの圧倒的な顔の良さよ。美しさと可愛さのサラブレッド」

「中身もよさげじゃん?悪い噂聞かない。モデルやってんのに気取ってないし、好感のかたまりだな。この前声かけたら、普通に笑って話してくれた」



うん、うん。わかる。

いつも笑顔で、親しみやすい雰囲気。
ニコって笑いかけられたら、女の私でもドキッてしちゃうね。



西野、今日は雛子ちゃんと何するんだろ。

そもそも、みんなが言う“遊び”ってなに?

手を繋いで歩いたり、キスしたり……?


そ、それ以上、も……?



やだ!
想像しただけで泣きそう。

他の子に触れて、優しい顔向けてる西野なんか無理……だけど、でも、これが現実なんだよね……。


< 191 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop