無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



「いひゃい」

「お前が嘘つきだから」

「んぐっ」

「悪い子はお仕置きー」



ほっぺから離れたかと思えば、今度は指先で首筋をつーっとなぞられて。


「んっ……ひゃぁ」


ヘンな声が出て慌てて口元をおさえるも、間に合わず。



「だらしない声出さないで。ここ学校」

「ええ、だらしない……?」

「利奈って、つくづく弱いよね。どこもかしこも」



弱いっていうか。
前にも言ったけど、首とか触られたら、誰でもこうなると思うの。


でもね



「すーぐ赤くなるしね?」

「っ……」


こっちはたぶん、西野だからだよ。


キスとかしなくても、近くにいるだけでカーッと熱が上がっちゃって、ほんとに大変。


体温に気づかれる前に離れなきゃって、胸板を押し返す。



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