無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「やっぱり、利奈見てると悪いこと教えたくなる」
「え……」
一歩、距離を詰めてくる西野。
「どーしたの?近寄ったら、ネクタイ引っ張って締め殺すんじゃなかったっけ」
「こ、殺すなんて言ってない……!」
「じゃあどーする?ネクタイって、他にも使い道あるんだけど。利奈がやんないなら、俺が好きに使っていい?」
ゆるゆるのネクタイが、しゅるっと解かれた。
西野、目がいつもと違う。
煽るみたいな目つき。
これ、やばい気がする……。
もしかして、西野って危険人物なんじゃ。
や、やられそう……っ。
「ちょちょっと、待ってください……」
「無理」
「ひぇっ、やめて! 」
「大人しくして」
「やだ……っ。首締められるのだけは……!」
教室中に声が響きわたった。
シン…と静まる。
西野の手も止まった。