無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



「でも、付き合うなら絶対陸人くん」

「わかる。遥日くんに関わったら泣かされるもんね」


「遥日くんって男子の前じゃ普通なのに、女子相手だとバッサリ冷たくなるらしいじゃん?要望には応えてもらえるけど、大事にはしてもらえないって」

「そりゃあ、“彼女"じゃないからね」


「でも彼女志願者はめっちゃいるよ。絶対無理なのにねー。ドエムだったら耐えられるのかな」

「ドエムかぁ。あたしは無理だ~!
ってことで、陸人くんの彼女になりたい」




つ、つまり。


顔面ツートップは西野遥日と秋田陸人だけど、付き合いたい部門で言ったら、陸人がナンバーワンってこと?



「でも陸人くん、幼なじみいるじゃん?」

「あーっ。えっと、菊本利奈?」

「そうそう」



よ、呼び捨て!
怖いよぉ……。



辺りはもう薄暗いから、彼女たちは隣にいるのが私だと気づいていないらしい。

慌てて少し距離をとった。



「たまに一緒に登校したりしてるよね。付き合ってるって噂もあるけど、実際どうなのかなー」


< 202 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop