無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



陸人に【裏門で待ってる】とメッセージを送って、スマホをポケットに仕舞う。

充電が10パーセントを切ってるスマホじゃ、ろくにゲームもできないから、花壇の前にしゃがみこんでぼうっと待つ。



辺りが薄暗いと、不思議と寂しさが募るもの。


陸人、早く来て。




することがないから、花壇に生えてる雑草をむしった。

今度は、スカートのすそが地面につかないように、お尻と太ももの間にきちんと挟みこむ。

じゃないと、西野がだらしない女って言うから。



……あ。また西野のこと考えてる。

もーやだなぁ。



打ち消すように草を引っこ抜くけど、頭からなかなか離れてくれない。



西野、今ごろ何してるのかな。

誰もが羨む雛子ちゃんとデートだよね。



手、繋いでるのかな?
キスもする?
それ以上もする?



気づいたら、抜いた草で山ができてた。

アハハ、掃除の時間より頑張っちゃったな。


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