無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
リボンとオオカミ
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次の日。
「えー、やっぱりそうだったんだ」
「あたしら、あんなのに負けたの?」
「どっちが先に告ったんだろー」
学校に着いたとたん、痛いほどの視線を感じた。
えっ、何、何、何。
なんかコソコソ言われてる。
決していいものじゃないことは、その場を通るときの空気でわかった。
今日は、陸人が朝練だから1人で登校した。
……だから、目立つことはないって思ってたのに。
ううっ、何これ?
こわいよ、鈴ちゃん助けて。
そう願った矢先。
「利奈、おはよ~」
後ろから鈴ちゃんの声。
安心して思わず抱きついてしまった。
「鈴ちゃん、なんか私めっちゃ見られてるんだけど……っ。な、なんでだろ」
「うん。なんかねー、また噂が流れてるみたい。昨日、陸人くんと帰ったでしょ?」
「え、うん……。でも、一緒に登下校するなら今までも何回かあったし、いちいち騒ぐことじゃないと思うんだけど」