無気力オオカミくんは、私だけに夢中。




「学校の裏庭って、穴場スポットだよね」




なんで西野も噂知ってるの?

ていうか穴場って、西野もそこでキスしたことあるの?




「私してないよ。陸人とキスなんて」

「ふーん?」



なにその、どうでもよさげな反応。



「してないよ、ほんとだよ」



興味なくてもいいから

信じて、西野。



「どーでもいいけど、昼食わないの?てか1人?」

「鈴ちゃんは委員会で……」

「弁当は」

「……お箸、忘れちゃって」



うう、ほんとにみじめだな、今日の私。



「売店行けば、箸もらえんじゃない」

「うん。鈴ちゃんもそう言ってて、行こうかなって思ったんだけど……周りの目が怖いから動きたくなくて。……その、噂のせいで」

「へー、可哀想」



可哀想とか言わないで、よけいみじめじゃん。


男子群から「西野ー」って声がかかる。

ああ、行っちゃう。

また1人だ。



なんて思ったら。



「……え?……西野?」


西野が私の手を取ってきた。


「しょーがないから、売店付き合ってあげる」







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