無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
“誤解”の部分を強めて言ってみたけど、特に反応はなし。
私と陸人がキスしたか、してないかなんて西野はどうでもいいんだ。つくづく。
ショックを受けているうちに、西野は売店の方へどんどん歩いていくから、私は少し距離を置きながら後ろをついていった。
「わあ、西野くん。いらっしゃい」
「どうも。えーっと、何にしようかな。チキン南蛮も美味そー」
すごい。売店の人に名前を覚えられてる。
常連だからなのか、有名だからなのか。
「でも、結局いつも、西野くんは日替わり弁当でしょ?」
「まあ、そうなんですけど」
「ふふ。390円です」
へえ~。西野っていつも日替わり弁当なんだ。
遊び人だし、移り気激しいのかな。
なあんて。
「あ。箸2つ付けてもらっていいですか。友だちとわけて食べるんで」
「はーい、了解しましたっ」
わっ。ナチュラルに私のお箸確保してくれた。