無気力オオカミくんは、私だけに夢中。


.


.





「ありがとう菊本さん。じゃあ、今から印刷してくるね。お疲れ様」



保健だよりを書くのにかかった時間は、1時間30分。

陸人の部活も、あと30分もしたら終わる時間になってしまった。



先生にお辞儀をして保健室を出る。



西野まだいるかな……?

さすがにもう、いないよね。


暗くなった外を見て、どんよりした気持ちになる。

気分が晴れない。


陸人を好きな子たちからの嫌がらせ、これからも続くのかな。

どんどんエスカレートしていったりして……。



廊下を一人で歩いてるよ、余計みじめに感じで泣きなくなる。


鈴ちゃんに話を聞いてほしいけど、学校にはもういない。



西野……会いたいよ。

なぐさめてくれなくていいから。

昼間みたいに、笑い飛ばしてくれるだけでいいんだよ。




お願い。

談話室に

まだいてね。


< 230 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop