無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



.


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話しかけないでって言っちゃったから、西野からは絶対に話しかけてこない。

目すら合わせてこない。


だから、こっちから行くしかないわけで。



「あの、西野……くん」


西野が席を立つ前にと、4限目が終わった瞬間に声をかけた。

西野は「なに?」と目で冷たく返事をする。



わかるよ。話しかけないでって言ったのは私なのに、私が西野に話しかけてたら意味わかんないよね。

でも、そっけなくされると、傷つく……。



「やっぱり、リボン返してほしくて」

「……」

「今日の放課後、お部屋にお邪魔しても、いいですか……」



ドクン、ドクン。

感情が読めない西野の顔を見つめる。

早く返事してよ。


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