無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
噛み付くオオカミ ②


怒ってるのかな?

呆れてる?

もう嫌われて、愛想尽かされてるのかも……。



「あっ、あの。これでほんとに終わりにするので……! 自分から西野に話しかけたりも、しないから」



相手が静かだと、つい余計なセリフが出てきてしまう。

1人で焦って恥ずかしい。



西野は

「わかった」と

一言だけ残して席を離れていってしまった。



会話を交わすだけで精神が削られるなんて、この先が思いやられる……。



ふと自分の胸元に視線を落として、シャツのボタンがほつれたままだったことに気づいた。

夜に洗濯して乾燥機にいれたから、昨日より悪化してる。



今にも切れそうな糸で、ぷらんぷらん。



どうか、家に帰るまでもちますように。



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