無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「利奈」
「は、はい」
「早く座って。ソファ」
そうだった。
私、膝まくらをするために来たんだった。
改めてソファを見る。
おっきくて、一人くらい軽くおさまりそう。
ひざ枕をするということは、私は端っこに座って、その上に、西野くんの頭が……?
ぐるぐる考えてたら肩をつかまれて、ソファまでぐいぐい追いやられた。
「利奈はここ」
体重をかけられて、ソファの上にすとんと落ちる。
西野くんは私のすぐ隣に腰をおろすと、すぐに寝そべることはしないで肩に頭をあずけてきた。
ドキドキどころじゃなくて、もはやドンドン。
心臓、壊れたみたいに激しく鳴ってる。
……いや、待って。
これは……近すぎて、無理。
「よ、横にならないの……?」
たまらなくなって聞いてみると。
「んー。この体勢も悪くないなって」
「っ、でもこれじゃ安眠できなさそうだよ」
西野くんがよくても、私がだめっていうか。
心臓の音が聞こえそうだし、聞こえるかもって不安がさらに緊張を煽ってくるし。