無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
さあ……っと血液が下のほうに流れていく感覚。
ようやく気づく。
よかれと思ってついた嘘も、自分の気持ちを押し殺すためについた嘘も、全部、陸人を傷つけてたことに。
「西野といたんだろ?」
「……うん。ごめんなさい」
「グラウンドから見えた」
「そっか。……でも、遊んでたわけじゃないよ、リボンを返してもらいに行っただけ……」
「リボン?」
「この前、リボンを忘れたって言ったけど、ほんとは西野に取られててね。西野が家にあるって言うから、返してもらいに……行きました」
陸人が一歩、私に近づいた。