無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



「あっ。うち、ちょっとギャル子たちのとこ行ってくるね。この雑誌返してくる~」




そう言って、鈴ちゃんは席を離れていった。


私はスマホを触るフリを続ける。

朝礼で先生が入ってくると、さすがに騒ぎも落ち着いて、周りから開放された西野ももうやく自分の席についた。



視界に入れない。

話さない。

考えない。


そうやって気を張ってたけど、朝礼が終わって1限目が始まるまで西野が話しかけてくることはなかったし、

それどころか、隣からの視線を感じることも一切なかった。


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