無気力オオカミくんは、私だけに夢中。


固まる。
西野が女の子の連絡先を一掃するなんてこと……




「嘘だあ。あるわけないよ」

「それが本当らしいの!過去に西野くんと遊んだことある子10人に直接聞き込みしたら、全員が全員、西野くんと連絡取れなくなってたって」


「ええっ」

「しかも、その子らが理由を問い詰めたら、“好きな子がいるから”って、西野くん言ったらしいよ~」



持ってたお箸が、手からぽろりと落ちた。


──────西野、好きな子いたんだ。



今まで遊んでたけど、やっと一途になろうとしてるってこと?

そっか。

いいことじゃん。


今まで遊んでた子と関係切るくらい、好きなんだね。



真っ先に雛子ちゃんの顔が浮かぶ。

気にしないでおこうと思うのに、重たい気持ちがいっきに押し寄せてきて、お弁当が入らなくなってしまった。

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